作成日:2010/11/25
【税制改正 議論】退職所得について課税拡大へ
政府税制調査会において、退職所得について課税拡大が議論されています。
退職手当等を支給された場合、課税所得区分は退職所得となります。退職手当等に対して、勤続年数が20年までは、1年につき40万円、20年を超える年数に対しては1年につき70万円の退職所得控除があります。また、退職手当等から、退職所得控除額を控除した残額を2分の1にしたものが、退職所得となります。さらに、退職所得に対しては、他の所得と合算せず、退職所得のみで累進課税される仕組みとなっており、かなり優遇された制度となっています。
終身雇用制度のもと、退職金が多額となり、退職後の生活資金となるべきものであるという考えから、なるべく課税しないようにするための優遇制度となっていました。近年、終身雇用制度が崩壊し、短期で退職する人が増え、また、退職所得の優遇税制を最大限利用して、短期間に退職する場合、給与手当を少なくし、退職所得を多くするような手法が多用され始めています。
そのため、今回の税制改正議論において、
@5年未満の退職に対する退職手当は、退職所得の優遇措置を適用しない
A20年超の退職所得控除額の見直し
などの意見が出ています。
注)作成日現在の法令等に基づいて作成しております。
適用に当たっては、必ず税理士等の専門家にご相談ください。