顧問先のお客様から、先日住宅を売却したお話を伺いました。先代からの土地建物のため、100%利益が発生しているとのことです。税金はどうなりますかとのご相談を受けました。
≪通常≫
譲渡価額から取得費(譲渡財産の取得価額)と譲渡費用(仲介手数料等)を控除した金額が譲渡所得となります。取得費が不明の場合は、譲渡価額の5%を取得費とみなして計算します。保有期間が5年超の場合は、譲渡所得に対して、20%(所得税15%、住民税5%)、5年未満の場合は39%(所得税30%、住民税9%)が課税されます。
≪特例≫
■条件
次の@〜Bのいずれかに該当する場合
@現に自分が住んでいる家屋及びその敷地の譲渡
A過去に自分が住んでいた家屋で、譲渡した日の属する年の3年前の1月2日以降に住まなくなったもの、及びその敷地の譲渡(平成22年中の譲渡の場合、平成19年1月2日以降)
B上記に該当する家屋を取り壊した場合でも、譲渡契約が取り壊した日から1年内に締結されており、かつ、その間、貸付けその他の用に供していない場合、その敷地の譲渡
注)@〜Bのいずれかに該当しても、親族等への譲渡の場合は適用されません
■特例内容
居住用財産の譲渡所得から3,000万円(譲渡所得が3,000万円未満の場合は、譲渡所得を限度とします)が控除されます
■手続き・添付書類
譲渡した翌年の3月15日までに確定申告する必要があります
・申告書第三表の特例適用条文欄は措法35と記入します
・譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)
・住民票の写し(譲渡した日から2ヶ月を経過した日以後に発行されたもの)
→市町村を移転した場合は、前の住所の除票住民票の写しとなります
≪結論≫
通常(一等地の住宅地でない場合)の住宅の売却であれば、現在の地価等の動向を考えて、3,000万円もの利益が発生することは少ないと思います。したがって、申告さえすれば税金はゼロとなります。ただ、先代からの土地等で売却価額が3,000万円を超える場合は、注意が必要です。
注)作成日現在の法令に基づいて作成されています。
適用に当たっては、必ず税理士等の専門家にご相談ください。
作成日:2010/05/01
【税務解説】住宅用財産を譲渡した場合の3,000万円控除の特例